AIX SystemsへのTimesTenのインストール
この項では、AIX Systemsへのインストールと、それに関連するトピックについて説明します。
TimesTenのインストール
TimesTenソフトウェアをインストールする前に、CD-ROMファイル・システムを追加してマウントしておく必要があります。CD-ROMを設定し、TimesTenをインストールするには、次の手順を実行します。
- CD-ROMをCD-ROMドライブに挿入します。
- 次のように入力します。
# crfs -v cdrfs -p ro -d cd0 -m /usr/cdrom/
TimesTen7.0
CD-ROMをマウントするディレクトリが作成されます。
- CD-ROMをマウントするには、次のように入力します。
# cd mount_dir
- 既存のTimesTenインストールにCache Connect to Oracleオプションを追加するには、起動スクリプトで
-installCache
オプションを使用します。 - 既存のTimesTenインストールからCache Connect to Oracleのみを削除するには、setupスクリプトで
-removeCache
オプションを使用します。 - setupスクリプトは、-installまたは-uninstallオプション(デフォルトは-install)を指定して実行できます。-uninstallオプションを使用すると、スクリプトによって実行中のデーモンが停止され、インストール済のすべてのファイルが削除されます。setup.shには、次のオプションを指定することもできます。
-batch filename
| TimesTenのインストール中または削除中に、プロンプトに応答する必要がなくなります。filenameを指定した場合、インストールでは、インストール時のすべてのプロンプトでそのファイルが参照されます。バッチ・ファイルのfilenameはオプションです。ただし、バッチ・ファイルを作成して、インストールのインスタンス名を明確に指定することをお薦めします。 バッチ・ファイルを指定しない場合、またはバッチ・ファイルにインスタンス名が含まれていない場合は、インスタンス名として「tt70」が使用され、デフォルトのインスタンスがインストールされます。インストールするマシン上に同じ名前のインスタンスがある場合、インストール手順は失敗します。 64-bitのプラットフォームでは、インストールするTimesTenが32-bit版であるか64-bit版であるかも、バッチ・ファイルに指定する必要があります。バッチ・ファイルを指定しない場合、またはバッチ・ファイルにプラットフォームが指定されていない場合は、デフォルトのインスタンスに32-bit版がインストールされます。 |
-record filename
| TimesTenをインストールまたは削除して、filenameに記述されたプロンプトへの応答を記録します。その後、このファイルは、-batch オプションに対するパラメータとして使用できます。 |
-doc | ドキュメントをインストールします。 |
-help | ヘルプ・メッセージを表示します。 |
-verbose | その他のインストール情報を表示します。 |
CDには、TimesTenのtarファイルが収録されています。setupスクリプトが抽出元のtarファイルを検索できない場合、ユーザーはその場所の指定を求められます。
- setupスクリプトのプロンプトへの応答を入力します。
注意: | プロンプトに応答せずにTimesTenをインストールまたは削除するには、setup.sh スクリプトで-batch フラグを使用します。以前のリリースのTimesTenのバッチ・ファイルを使用して、今回のリリースをインストールすることはできません。今回のリリースのインストール・スクリプトのすべての新しいプロンプトにはデフォルトの応答が割り当てられるため、異なるバージョンのバッチ・ファイルが使用されると、予期しない結果が発生する可能性があります。 |
スクリプトによって、次の処理が実行されます(ユーザーの応答が原因で、インストール処理が終了した場合を除きます)。
- 64-bitのシステムでは、次のいずれかのリリースのインストールが求められます。
- 次の操作を実行するように求められます。
- 新しいインスタンスのインストール
- 既存のインスタンスのアップグレード(このオプションでは、Cache Connectオプションを追加でインストールできます。TimesTenのメジャー・リリース番号およびマイナー・リリース番号が正確に一致している必要があります。)
- 既存のインスタンスに関する情報の表示
- インストールの終了
- デフォルトのインスタンス名の選択またはTimesTenインスタンスの名前の選択を行うように求められます。詳細は、「インスタンスのインストール」を参照してください。
- TimesTenをインストールするように求められます。
- Oracle TimesTen In-Memory Database
- Oracle TimesTen In-Memory Database(Cache Connect to Oracle付き)
- 次のいずれかのコンポーネントをインストールするように求められます。
- root以外のユーザーとしてインストールする場合は、TimesTenのインストール場所および特定のファイルの場所を指定するように求められます。
- デーモンのポート番号を指定するように求められます。マシンにTimesTenのインスタンスがインストールされていない場合、またはデフォルトのポート番号(32-bitのアプリケーションのインストールでは17000、64-bitでは17001)を使用しているインスタンスがない場合、デフォルトのポート番号を使用するように求められます。
- クライアントのみをインストールする場合を除き、アクセス制御を有効にするかどうか指定するよう求められます。デフォルトの応答は、「No」です。この場合、TimesTenをインストールまたは使用する際に、他に必要な変更はありません。アクセス制御の詳細は、このマニュアルの「アクセス制御」を参照してください。
- TimesTen Serverのポート番号を入力するように求められます。
- アップグレードをインストールする場合、今回のリリースのTimesTenの以前のインストールはすべて削除されます。
- インストールするコンポーネントの適切なtarファイルをインストール・ディレクトリ(デフォルトの/usr/lpp/TimesTen/tt70)に解凍します。
- デーモン・スクリプトを適切なディレクトリにコピーします。
root
ユーザーでインストールしている場合は、システムの起動時にデーモンが起動するようにシステムを構成します。 - TimesTenデモ・アプリケーションによって作成されるデータ・ストアが格納されるディレクトリを作成します。デフォルトでは、
/var/TimesTen/
TTinstance/DemoDataStore
に格納されます。 - デーモンを起動します。
- TimesTenの同じパッチ・リリースの他のインスタンスが同じマシンにインストールされている場合、TimesTenデーモンが使用する一意のポートを指定するように求められます。
- TimesTen Serverをインストールしている場合は、サーバー名、ポート番号、ロギング・オプションなど、サーバーを構成するように求められます。
- TimesTenドキュメントをインストールするように求められます。
デーモンによって、 timestend.pidファイルがディレクトリに書き込まれます。デーモンは、rootユーザーでインストールしている場合は/var/TimesTen/
TTinstance/
から、root以外のユーザーでインストールしている場合はinstall_dir/info
から起動されています。
このファイルには、デーモンのプロセスIDが含まれています。デーモンを停止するスクリプトが実行されると、このIDに基づいて停止するプロセスが決定されます。プロセスが停止すると、timestend.pidファイルは削除されます。
TimesTenデーモンとサーバーの使用
TimesTenデーモンは、オペレーティング・システムの起動時に自動的に起動され、常にバックグラウンドで稼働します。アプリケーション開発者が、timestendと直接やりとりを行うことはありません。デーモンではアプリケーション・コードは実行されないため、通常、アプリケーション開発者はデーモンを意識する必要はありません。TimesTenデータ・ストアを使用するアプリケーション・プログラムは、TimesTen内部ルーチンを使用して透過的にデーモンとの通信を行います。
ただし、TimesTenメイン・デーモンの起動スクリプトを使用して、デーモンを手動で起動および停止する必要がある場合があります。この項では、デーモンを起動および停止する方法について説明します。TimesTen Serverをインストールしている場合、TimesTen Serverは、TimesTenデーモンの起動時に自動的に起動され、TimesTenデーモンの停止時に自動的に停止されます。
デーモンを手動で停止するには、ttDaemonAdmin -stop
というユーティリティ・コマンドを使用します。
デーモンを手動で起動するには、次のユーティリティ・コマンドを使用します。
ttDaemonAdmin -start
デーモンのステータスを確認するには、ttStatusユーティリティを使用します。
TimesTenの削除
TimesTenを削除するには、次の手順を実行します。
- TimesTenのsetupスクリプトは、install_dir/binディレクトリにあります。このスクリプトは、インストール・ディレクトリ以外のディレクトリで、-uninstallオプションを指定して実行します。
# install_dir/bin/setup.sh -uninstall
システムを削除すると、TimesTenのすべてのライブラリおよび実行可能ファイルが削除され、デーモンも停止および削除されます。psを実行すると、TimesTenのすべてのプロセスが停止されていることを確認できます。TimesTenが正常に削除されたことを確認するには、install_dir が存在しないことを確認します。